序 章 日本国いま亡びんとす

 日本は今、亡国の前夜を迎えている。
 その亡国は、どのような災難によってもたらされるのかといえば――
 まもなく始まる巨大地震の連発を号鐘として、国家破産、異常気象、大飢饉、大疫病(感染症)等の災難が続発し、ついには亡国の大難たる自界叛逆(じかいほんぎゃく)(国内の分裂抗争)と他国侵逼(たこくしんぴつ)(外敵の侵略)が起こるのである。
 これは凡夫の私が言うのではない。日蓮大聖人が立正安国論の奥書に「未来(また)(しか)るべきか」と示されるところによる。
 日本国は700年前、この国にご出現された大慈大悲の御本仏・日蓮大聖人を、二度も流罪し、ついには(たつ)(くち)の刑場で御頸(おんくび)まで()ねんとした。この大逆罪はたちまちに「大蒙古の責め」という大罰となって現われ、国まさに亡びんとした。
 しかるに日本の人々は改悔なく、今に至るまで日蓮大聖人を信ぜず、背き続けている。仏法まことならば、どうして国の保つことがあろうか――。
 ここにいま「時」来たって、日本国は再び亡国の大難を受けんとしているのである。
 しかしこの恐るべき亡国の大難が起きても、もしその起こる所以(ゆえん)を知らなければ、人々はただ恐れ(おのの)くのみで、これが「日蓮大聖人に背くゆえ」とは知るよしもない。したがって大聖人に帰依信順することもない。そうであれば、日本はそのとき必ず亡ぶ。
 よって日蓮大聖人の弟子として私は、前もってこれを全日本人に告げ知らしめて国を救わんと、本書を著わした次第である。

Copyright (C) 2004 冨士大石寺顕正会本部 All Rights Reserved